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2017年10月12日

私の母乳育児で大変だったこと、母乳育児のためにお母さんが気をつけるべき事、 妊婦クラスからの質問

昨日の妊婦クラスで、もっと聞きたかったこととして以下の質問がありました。

①先生の母乳育児してて、大変だったこと体験談を聞きたいです。

②母乳育児のために、お母さんが一番気をつけること?  よく眠る、ちゃんと食べる、ストレスをためない・・・とかあると思うけど、格言みたいなコレ!ていうのがあったら教えて下さい。

まずは私の母乳育児の体験談です。

大変だったことは色々とありますが、乳腺炎にかかったことは無かったです。ただ、少しおっぱいがいたくなったことがありました。乳房がすこし赤くなって痛みも有り、授乳もたいへんでした。休みながらおっぱいをあげて、数日で痛みは消えました。
その他大きなトラブルはありませんでしたが、おっぱいにまつわる苦労や??なことは色々とありました。

第1子の時には産後1ヶ月で医師国家試験を受験する予定があり、子どもを預けることを視野にいれていました。
産後は預けるために授乳しながら搾乳をして母乳をたくさんストックしました。

国家試験は2日間に渡り、多くの学生は試験の時に寝坊しない、情報を得るなどのために、ホテルに泊まり込む人が多かったです。
私も試験期間中はは子どもを夫の両親に預けてホテルに泊まろうと思っていました。
でも、一ヶ月健診で受診した助産院で、
「一晩赤ちゃんにおっぱいをあげずに搾乳だけしていたら、おっぱいがパンパンに張ってしまって逆に大変よ。」
とアドバイスを受けて、夫の両親に試験会場まで送迎してもらって、夫の実家に泊めてもらったのでした。
それでも試験の夜はしっかり寝るために夜は搾乳をあげてもらおうと思ったのでしたが、結局目が覚めてしまい、預かってもらっていた夫の両親から子どもを受けとって直接授乳していました。
夫の両親のサポートがあってなんとか試験を終えることが出来ましたが、子どもを預ける方がおっぱいには大変だと感じた体験でした。

又、第2子の時には、子どもが8ヶ月くらいの時に週1~2回くらい外来での仕事を再開しました。
その際に子どもを保育園に預け始めました。
第1子の時にはアトピー性皮膚炎が心配で、人工乳は一滴もあげないと頑張ったのですが、第2子の時には、アレルギーの心配も無く、離乳食も順調に進んでいたため、保育園では人工乳をあげてもらって、職場で張ってきたおっぱいは搾乳して母乳は捨ててしまっていました。
DHA,オリゴ糖、免疫グロブリンたっぷりの母乳を捨てるなんて今から考えるとなんてもったいないと思います。
でも、その時には冷凍母乳パックに保存して冷凍してそれを保育園に届ける手間がもったいないのと、冷凍母乳パックを使い捨てるのがもったいないと思ったので、母乳を捨ててしまっていました。
第2子を育児中に働いた産婦人科診療所で、助産師さんがいない中、いかに母乳育児をサポートするかと悩んだ体験から、母乳育児を学び始めました。
その中で、母乳の栄養や免疫成分などの母乳そのものの、そして、母乳育児のすばらしさを学ぶことができ、第3子出産後の仕事復帰の際には、母乳はほ乳瓶に入れて冷蔵で保存し保育園で御願いして使ってもらったのでした。

母乳育児のためにお母さんが一番気をつけることは何か?
「母乳育児に関する格言が何か無いですか?」とのことですが、私の中では格言というのは特に今まで考えたことはなかったです。
ただ、第2子妊娠中にお世話になった「分娩台よさようなら」の著者、大野明子先生が書かれていた文章の中に、
「赤ちゃんにはおっぱいを飲む権利があります」
という言葉があり、これがとても印象に残っています。
当時はまだ母乳育児を勉強し始める前で、この言葉を読んだときに、少し強いなと思ったのでした。
というのは、当時は母乳育児をするかしないかは、お母さんの自由で有り、赤ちゃんの権利というとお母さんに母乳育児を強制してしまうように感じたのでした。
私自身は是非子どもをおっぱいで育てたいと思っていましたが、仕事の上で関わった妊婦さんに母乳育児を勧める必要は無く、お母さんの自由選択だと当時は思っていました。
その後母乳を勉強するようになって、母乳の成分そのものも素晴らしいし、母乳育児のすばらしさも学び、母乳育児を勉強するようになって初めて、自分の中に、おっぱいを飲むことが赤ちゃんの権利だという言葉がしっかり入ったのでした。
ただ、その後母乳がよいと分かっても、お母さんとの知識の共有のないままに、お母さんに母乳育児を勧めてしまったりして、お母さんに逆に苦しい思いをさせてしまうと言うことも多々ありました。
母乳育児に関してはその後たくさんの経験を重ねて、お母さん自身が赤ちゃんにおっぱいをあげたいと思えて、色んな母乳育児のトラブルに直面してもおっぱいを続けられる知識を身につけることが大切なのだと学びました。
また、お母さんの気持ちのサポートは助産師さんが寄り添ってくれることで母乳育児で辛いことがあっても、乗り越えやすくなるかと思います。
またお母さん同士のサポートも大切です。
夜中の頻回授乳や育児の大変さも、それを訴えたときに、私もそうだった、とか、私はこうしたなどの同じ立場のお母さん同士の体験は、自分だけではないという安心感につながって、大変さは変わらないけど、なんとなく乗り越えやすくなったりするかと思います。

私が第1子を育児していたときには、育児支援センターも無く、ママ友も周囲にはあまりいなくて、子どもと散歩しながらもあまり育児を楽しめていない時期もありました。夫も仕事優先で子どもはまだ話せなかったため、あまり会話もなく、辛い思いをした経験から、ゆいクリニックではお茶会や母乳育児サークルで、お母さん同士で交流をして、母乳育児の体験や育児の大変さを分かち合ってもらえたらと思ったりしています。

という事で、「母乳育児のために、お母さんが一番気をつけること」は、
お母さん自身が母乳育児に関して知識をつけて母乳を赤ちゃんにあげたいと思うこと、これが最も大切だと思います。

私自身、母乳育児に関して、まだまだ知らなかった~と思うことが多々有り、母乳育児は本当に奥が深いです。
妊婦クラスでみなさんに伝えられる母乳育児の知識はほんのわずかですが、それをきっかけに母乳育児をさらに学んで、母乳の大切さを理解して、赤ちゃんにおっぱいをあげたいと是非思ってもらえたらと思います。

母乳育児は楽に楽しくが理想ですが、時には本当に大変だったり、どうしても母乳だけでは足りなかったりすることもあります。
でも、母乳栄養の赤ちゃんの健康へのメリットは、量依存性だと言われています。
母乳だけでは足りなくて、ミルクを足していたとしても、1才でも2才でも3才になってもおっぱいをあげられるだけあげるとそれだけ赤ちゃんは母乳の大切な栄養や免疫成分をもらうことが出来て、病原菌への抵抗力をつけたり、腸内環境をよくして、様々な自己免疫疾患を防ぐ力をつけることが出来ます。
また母乳には酵素が含まれているので、赤ちゃんは食べものを消化する力も母乳を飲むことで高めることが出来ます。

酵素についてはまた奥が深いのでまた後日にお伝えしますが、母乳のすばらしさを少しでも皆さんに今後も伝えられたらよいなと思います。


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Posted by 島袋 史 at 05:40│Comments(0)妊婦クラス栄養母乳育児
 
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