2017年02月10日
過期妊娠 妊娠42週以降の分娩
ゆいクリニックではなるべくお薬を使わずに自然にお産を待つ方針をとっています。
予定日を過ぎた場合には胎盤機能が落ちていくため、妊娠41週を過ぎると陣痛誘発を行うことがあります。
私が以前勤めていた病院では妊娠41週を過ぎたら陣痛誘発を行うというきまりがありました。
でも妊娠41週で陣痛誘発をしてもなかなか有効にお産が進まず、赤ちゃんとお母さんが疲れてしまって、帝王切開が必要になるケースもあり、もっと待てないものかと思っていました。
産婦人科診療ガイドラインでは、予定日を1週間以上過ぎた時には、以下のように書かれています。
①妊娠初期の赤ちゃんの大きさから予定日が正しいかどうか再確認する。
②赤ちゃんの状態を週1~2回チェックして元気かどうか診察する。
③子宮の状態がお産準備が整っているかどうか、チェックして、分娩誘発を行うか、陣痛発来待機する。
④妊娠42週0日以降では分娩誘発を考慮する。
つまり妊娠42週前に必ずお産に持っていくようにしましょうというようには書かれていません。
41週以降は分娩誘発をしたほうが、帝王切開率や赤ちゃんのトラブルが少ないという報告はありますが、統計上有意差をもって結論が出ていないため、必ず誘発したほうがよいとは言われていません。
羊水量は計ることはできませんが、超音波で赤ちゃんのまわりの羊水のスペースを確認して、その大きさで羊水量の量を推測します。もしとても少ないことが考えられた場合には胎盤機能が落ちているということであまり待たない方が良いかもしれません。
こういったこともふまえて、妊娠41週になった場合には、患者さんに健診時に現状の状態をお伝えしつつ、待てる場合には自然待機するかそれとも陣痛誘発を行うかを相談しています。また、羊水が減ってきたり、血圧が高かったり、尿たんぱく陽性になってきたりするなど心配な状況がある場合には、治療が必要なことをお伝えして入院してもらうこともあります。
2014年にも予定日超過や過期妊娠について記事を書いていますが、今回は42週だけに限って、今迄の分娩状況をまとめてみました。
当院での過期妊娠(妊娠42週以降での分娩)がどのくらいあるかを調べてみました。
2011年の開院以来、2016年までの当院での42週以降の分娩は全部で33件ありました。
2016年までの総分娩数826件中33件で 約4%でした。
そのうち経産婦さんは6人で、初産婦さんが27人と圧倒的に初産婦さんが多かったです。
その内緊急帝王切開になったのは6件で、6件すべて初産の方でした。帝王切開率は18.2%くらいということになります。
ゆいクリニックでの2016年までの帝王切開率は8.6%でした。(内訳:2011-2016年の総分娩数826件のうち、帝王切開での分娩件数71件)
また、予定帝王切開である、骨盤位と既往帝王切開をのぞいた、分娩中の緊急帝王切開率は2.8%でした。(内訳:予定帝王切開の分娩数をのぞいた分娩件数777件中緊急帝王切開での分娩件数22件)
妊娠42週では過期妊娠の適応で陣痛誘発をおこなった事例も有り、妊娠42週での帝王切開率は非常に高いという結果でした。
また帝王切開での分娩ではありませんでしたが、42週の分娩で子宮内感染から赤ちゃんの感染症で新生児搬送を要した事例が1例ありました。
42週になるとハイリスク妊娠ということになります。過期妊娠となる場合には健診を細かく見ながら方針をお伝えしていくと言うことになります。
最近妊娠42週で分娩された方は、妊娠42週になろうという41週最後の妊婦健診で、状態が問題ないことを確認しつつ、今のところ特に問題ないので自然に待つことも出来ますが、もし過期妊娠になるので分娩を希望される場合には陣痛誘発を行うこともできますよとお伝えしたところ、第1子の分娩時に陣痛促進を行って、すごく辛かったので自然に待ちたいと希望され、分娩前日の妊娠42週0日に前陣痛で来院された後、翌日妊娠42週1日で自然に陣痛がきて、分娩所要時間3時間程度でスムーズに出産となりました。4000g超えた大きな赤ちゃんで、とっても元気でした。
以上、過期妊娠についてのまとめの報告でした。
予定日を過ぎた場合には胎盤機能が落ちていくため、妊娠41週を過ぎると陣痛誘発を行うことがあります。
私が以前勤めていた病院では妊娠41週を過ぎたら陣痛誘発を行うというきまりがありました。
でも妊娠41週で陣痛誘発をしてもなかなか有効にお産が進まず、赤ちゃんとお母さんが疲れてしまって、帝王切開が必要になるケースもあり、もっと待てないものかと思っていました。
産婦人科診療ガイドラインでは、予定日を1週間以上過ぎた時には、以下のように書かれています。
①妊娠初期の赤ちゃんの大きさから予定日が正しいかどうか再確認する。
②赤ちゃんの状態を週1~2回チェックして元気かどうか診察する。
③子宮の状態がお産準備が整っているかどうか、チェックして、分娩誘発を行うか、陣痛発来待機する。
④妊娠42週0日以降では分娩誘発を考慮する。
つまり妊娠42週前に必ずお産に持っていくようにしましょうというようには書かれていません。
41週以降は分娩誘発をしたほうが、帝王切開率や赤ちゃんのトラブルが少ないという報告はありますが、統計上有意差をもって結論が出ていないため、必ず誘発したほうがよいとは言われていません。
羊水量は計ることはできませんが、超音波で赤ちゃんのまわりの羊水のスペースを確認して、その大きさで羊水量の量を推測します。もしとても少ないことが考えられた場合には胎盤機能が落ちているということであまり待たない方が良いかもしれません。
こういったこともふまえて、妊娠41週になった場合には、患者さんに健診時に現状の状態をお伝えしつつ、待てる場合には自然待機するかそれとも陣痛誘発を行うかを相談しています。また、羊水が減ってきたり、血圧が高かったり、尿たんぱく陽性になってきたりするなど心配な状況がある場合には、治療が必要なことをお伝えして入院してもらうこともあります。
2014年にも予定日超過や過期妊娠について記事を書いていますが、今回は42週だけに限って、今迄の分娩状況をまとめてみました。
当院での過期妊娠(妊娠42週以降での分娩)がどのくらいあるかを調べてみました。
2011年の開院以来、2016年までの当院での42週以降の分娩は全部で33件ありました。
2016年までの総分娩数826件中33件で 約4%でした。
そのうち経産婦さんは6人で、初産婦さんが27人と圧倒的に初産婦さんが多かったです。
その内緊急帝王切開になったのは6件で、6件すべて初産の方でした。帝王切開率は18.2%くらいということになります。
ゆいクリニックでの2016年までの帝王切開率は8.6%でした。(内訳:2011-2016年の総分娩数826件のうち、帝王切開での分娩件数71件)
また、予定帝王切開である、骨盤位と既往帝王切開をのぞいた、分娩中の緊急帝王切開率は2.8%でした。(内訳:予定帝王切開の分娩数をのぞいた分娩件数777件中緊急帝王切開での分娩件数22件)
妊娠42週では過期妊娠の適応で陣痛誘発をおこなった事例も有り、妊娠42週での帝王切開率は非常に高いという結果でした。
また帝王切開での分娩ではありませんでしたが、42週の分娩で子宮内感染から赤ちゃんの感染症で新生児搬送を要した事例が1例ありました。
42週になるとハイリスク妊娠ということになります。過期妊娠となる場合には健診を細かく見ながら方針をお伝えしていくと言うことになります。
最近妊娠42週で分娩された方は、妊娠42週になろうという41週最後の妊婦健診で、状態が問題ないことを確認しつつ、今のところ特に問題ないので自然に待つことも出来ますが、もし過期妊娠になるので分娩を希望される場合には陣痛誘発を行うこともできますよとお伝えしたところ、第1子の分娩時に陣痛促進を行って、すごく辛かったので自然に待ちたいと希望され、分娩前日の妊娠42週0日に前陣痛で来院された後、翌日妊娠42週1日で自然に陣痛がきて、分娩所要時間3時間程度でスムーズに出産となりました。4000g超えた大きな赤ちゃんで、とっても元気でした。
以上、過期妊娠についてのまとめの報告でした。
Posted by 島袋 史 at 04:09│Comments(0)
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