質問:母乳育児中の麻酔について気になった。口腔手術を受ける予定があるのですが、母乳育児中でも受けられるのか、遅らせるべきなのか教えてほしい。
母乳育児中に薬を使用しても赤ちゃんにはあまり影響が起こることは無いです。
口腔手術として使われる薬としては、局所麻酔薬、痛み止め、抗生剤などですが、これらの薬を使用したからと行って、赤ちゃんには全く問題ありません。
小さな赤ちゃんをあずけて手術を受けるのは、時間が長いとお母さんにも赤ちゃんにも負担になると思うので、離乳食が進んで、母乳の間隔が空くようになってからでも良いのでは無いかと思いますが、症状があって早めにうけた方がよいのであれば、特に待つ必要は無く、母乳育児中にも手術がうけられます。
ちなみにレントゲン写真をとってももちろん問題ありません。
妊娠中にも口腔内や胸のレントゲン写真を撮影したとしても放射線量はごくわずかで、赤ちゃんへの影響は心配ありません。
必要な検査はしっかり受けるようにして下さい。
内服する薬が赤ちゃんへの影響が心配であれば、是非ご相談下さい。
当院に受診歴があるかたはお電話ででも母乳育児中の薬に関しては御相談可能です
母乳育児サークルは無料で、授乳中の困ったを他のお母さん達や助産師さんと気軽にお話しできる集まりです。是非ご参加下さい。
抗がん剤(代謝拮抗剤)
放射性物質(一時的に授乳をやめる)
上記の薬は授乳中禁忌で、授乳をやめるか薬を使わないという選択肢しか無いですが、他の薬は基本的には使用可能です。
でも多くの薬の添付文書(説明書)には、授乳中は禁忌 と書かれています。禁忌というととても強い言葉で絶対に使ってはいけないと感じるかと思いますが、どうして赤ちゃんに影響の無いはずのお薬の説明書にこのように書かれているかのでしょうか。
母乳中にごくわずかに薬が混ざって、それが赤ちゃんに影響なかったとしても、もしも何か赤ちゃんの体調の変化が現れた場合に、それがお母さんの内服した薬のせいだと言われないために、製薬会社の自己防御のためにそのように書かれているのです。
でも薬剤師や母乳の専門家で無い多くの医師は、添付文書通りに授乳中に薬を内服しようとすると授乳をやめて下さいと説明してしまうため、多くのお母さんが、薬内服をきっかけに授乳をやめてしまっている状況は本当にもったいないことだと思います。