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2014年04月27日

私とたばこ

私とたばこの最初の関わりは、小学生のころにいとこのお姉ちゃんが吸っているのをみて、たばこをくわえてみたことでした。また、大学生の頃にもたばこを吸ってみた事があります。でも、幸いなことに習慣にはなりませんでした。

今、防煙教育の大切さが言われています。
子どもたちにたばこの害について知ってもらうこと、中毒にならないためには最初の一本に手を出さないことが大切なのです。
中毒になってしまうとやめることがとても難しくなります。
一度喫煙者になってしまうと、10年たっても、まだ「禁煙中」なのです。いつも再喫煙のリスクをかかえる事になります。夫がタクシーの運転手さんとのおしゃべりで、
「禁煙してもう10年になるけど、いまだにたばこを吸いたくなるよ。」
という話をきいたと教えてくれたことがありました。

私の夫は高校生の時に喫煙するようになり、いったんやめた後に大学にはいってまた喫煙するようになったそうです。結婚した当初は受動喫煙についての知識が乏しく、家の外で吸うたばこにまであまり気にしてはいませんでした。
実際は外で吸っていても受動喫煙の害はかなりあり、17m離れたところでもたばこの有害物質がかなり検出されるというデータもあり、子どもへの影響を考えるともっと早くに禁煙してもらえばよかったと、今から考えると思います。
当時は受動喫煙の害を心配してというよりも、夫の健康を心配して、夫に禁煙を勧めてきました。
その頃は、禁煙治療についての私の知識も乏しく、また、手段もニコチンパッチだけと限られていて、チャンピックスはまだ発売されていませんでした。
禁煙するならそのかわりに以前から欲しかった車を買いたいと、当時夫から言われました。
夫は、鼻の前にぶら下がったにんじん(欲しい車)のためか、家族のためか、自分の健康のためか、禁煙を決意してくれて、かなり長いこと禁煙、再喫煙を繰り返しながらいまも禁煙続行中です。
彼の禁煙のために買った車は年月がたち、そろそろ手放そうかという話がでていて、月日がたったことを感じます。
彼が買った車は、私たちにとってはかなり高い車でした。
私にとっては、車は燃費がよく荷物がたくさんつめて動けば上等、見た目はあまり気にしないのです。
それと正反対の彼が買った車(=燃費が悪く、荷物も詰めなくて、4人しか乗れない)は私には価値が分からないのですが、彼が禁煙してくれれば、喫煙を続けた場合のたばこ代金や彼の健康を考えると決して高い買い物ではなく、それで彼がたばこをやめてくれるならとしぶしぶ彼の車を買うのを認めたということがありました。
これに乗り続けるからには、是非禁煙中ということを忘れないでねと言う意味もこめて。
彼にとっては気に入っている車だったので、燃費が悪いことを私から文句をいわれても乗り続けていました。
一時期、燃費が悪いから軽自動車に取り替えてはどうかという話をしたら、
「おれの車を売って軽に乗れだと~」
とちょっと怒っていました。
でも、ずっと乗り続けていた車を今回手放そうという話が出ているのは、やっぱりエコでいこうということを考えたから。
私が開業してからは、私が車で出かけることもそう多くないので、二人で1台の車で良いだろうということになりました。それと、私の乗っていた車を車検に出そうとしたらそれなりの修理代金がかかることがわかり、これを機会に買い換えて二人で一台の車に乗ることにしたのでした。
今まで夫の車は一度も運転したことがありません。夫がさせなかったのです。
時々あちこちちょっとしたことでぶつけたりして私が乗っていたアイシスは傷がたくさんあるので、夫は私に自分の車を運転させたくないようでした。アイシスは両側スライドドアでとても乗りやすく、よい車だったのですが、もともと走行距離が76000kmもある中古を買ったところで、さらに沖縄市から浦添まで毎日通勤で使っていたので、走行距離は10万kmを超えていました。この2年はほとんど走行距離は増えていませんでしたが、買い換えをちょっと前から迷っていたので、この機会に買い換えることにしました。
買い取りをいくつかきいてみたら、値段はつけられませんとのことでスクラップ行きになるところ、修理しても欲しいという人がいたので、もったいないことにならずによかったなあと思っているところです。
今まではずっと中古で車を買っていたのですが、今度は初めて新車にのるので、ぶつけたりしないようにバックモニターとコーナーセンサー付けてなんとか対策したいです。

話はだいぶ脱線しましたが、禁煙、たばこの話に戻りたいと思います。
ゆいクリニックを開業して、念願だった禁煙外来を始めました。
禁煙外来を始めて2年、まだまだ薬を処方することがメインで、十分な禁煙サポートができておらず、成功する人もいますが、うまく行かないひともいる状況です。
本当は喫煙の苦しさに共感できることが大切なのではないかと思っています。それには禁煙経験は必須では無いですが、共感できるカウンセリングのテクニックは大切ですね。
私自身が喫煙者だった経験は無いのですが、本の知識や講習会で学んだことから禁煙サポートを行っています。
スタッフも一緒に勉強して講習会に参加した3人一緒に禁煙支援士の資格をとりました。私はせっかちなのですが、スタッフはゆっくりと患者さんの話を聞いてくれて、頑張ってサポートをしてくれています。
今は夫は禁煙外来に関わっていないのですが、今後夫も禁煙外来に関わってくれたら禁煙経験者として強力なサポーターになってくれるのではないかなとちょっと期待しています。

ところで、私が是非禁煙外来をやりたいと思うようになったのは、妊婦健診をしていて時々たばこがやめられない人がいたためです。
以前は色んな禁煙外来を紹介したりしていました。でも、妊婦健診をしながらその人に直接禁煙指導できればよいのにともどかしさを感じていました。
今は、妊婦さん、子宮がん検診、ピル希望などなどすべてのゆいクリニック受診者とその家族に禁煙を勧めています。もちろん禁煙についての意識は人それぞれのレベルがあるので、禁煙したいと思わない人もいますが、情報だけでも伝えて、その気になったら方法があるよということを伝えたいと思います。自力でやめますと禁煙を勧めたところ特に治療を受けずにやめられる人もいるので、受診がきっかけになってくれたら良いなと思っています。

禁煙については、学べば学ぶほど禁煙って良いことだらけなんだなということが分かります。
禁煙に成功する人は禁煙して良いことをたくさん見つけられる人です。
少し前に妊婦さんで喫煙されている方が禁煙を決意されて、夫婦で禁煙外来を受診して夫婦一緒に出産前に禁煙成功した方がいました。
最近予防接種に夫婦でいらして、挨拶したら,だんなさんも禁煙しているとのことでした。
子どものために頑張っている姿を見ることができてとっても嬉しかったです。

そして、これからは禁煙だけでなく、防煙教育が大切だと思います。子どもたちにたばこを吸う習慣を持たさないようにする、そのためには親が防煙教育についての知識を持つことが大切です。
防煙教育にとってもよい絵本があります。
小学生といわず保育園生のうちから、たばこの害について知ってもらうこと、これが大切だと思います。

また、学校現場に関わる人がたばこについての知識を持つことが大切だと思います。
私が中学生の時にたばこがやめられなくて、学校側がずいぶん頑張ってたばこをやめるように勧めたけれどたばこをやめられないからと退学していった同級生がいました。
当時は禁煙治療という考え方はなく、たばこを吸う=不良 でした。
今なら適切な禁煙治療を施して子どもが勉強できるようにしてがえるのが正しい道だなと思いますが、当時の学校現場にはそのような認識は無かったです。

昔の受動喫煙についての分煙の意識の低さについては一言言いたいです。
医療者でも受動喫煙を避けると言うことには健康被害の重要さを認識していなかったのでした。

次女を妊娠していた13年前。当時働いていた病院の医局は分煙は無かったです。
医局のソファーでみんながくつろいでたばこを吸うのが当たり前でした。
医局のソファーについたて一つあるだけですぐ近くに机があった私は、自分の机で仕事をしているとたばこの煙を吸うことになってしまっていました。
妊娠中だからこそ気になって、当時の医局長になんとかしてほしいと訴えたのですが、今は喫煙室を設けるのは無理と言われてしまいました。
それから数年で、喫煙室が出来、今ではその病院は敷地内禁煙になっているのですから隔世の感があります。
社会の認識が変わることでずいぶん変わってくるなと思いますが、少しでも多くの人がたばこにまつわる知識を身につけて、たばこによる健康被害から身を守り、社会をよくすることができたらと思います。


防煙教育おすすめ絵本

タバコいや!の絵本 (薬物いや!シリーズ)
北沢 杏子 (著), 高橋 裕子 (監修), 今井 弓子 (イラスト), 林 千根 (翻訳)

私とたばこ

この絵本はアルコールや覚醒剤についてとシリーズになっています。

他にも

たばこをやめたい王さま―親子で学ぶ禁煙 [単行本]
高橋 裕子 (著), おかもと 香織 (イラスト)

私とたばこ


ちょっと脱線してしまいましたが、たばこにまつわることを色々と書いてみました。


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Posted by 島袋 史 at 07:23│Comments(0)診療禁煙日記
 
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